S様からいただいたオーダーは「部屋では1人でいても、部屋を出れば家族を感じられる家」。1階は、広いリビングを中心に家族の空間をワンフロアにゆったりと取り、プライベート空間の2階と吹き抜けでつなげることで要望を形にしていきました。

特に心がけたのが大きな吹き抜け。リビングから2階上のロフトまで見通せるように設計することで、家族のつながりを感じられるよう意識しました。また、大開口の窓や現しにした梁がよりいっそうの開放感を演出できたと思います。

もうひとつこだわったのが、毎日の暮らしを楽しむ仕掛けを随所に設けたこと。例えば、現しにした梁からブランコを吊るしたり、子ども部屋にはロッククライミング風の足場をつくったり…。吹き抜けに添うように伸びる階段も、アスレチックができる格好の遊び場!S様からも「子どもたちにとっては家中が遊び場です」と、喜んでいただけました。他にも、あえて小上がりにしたタタミコーナーや、カラーリングで遊んだトイレ、壁の厚みを利用した小物収納など、ご家族の想いを自由に表現させてもらいました。

オープン空間のLDK。ピアノ脇のスリットの柱や階段の形状などでほどよい変化と個性を持たせました。

家中が吹き抜けを通してつながっていることがよく分かる1枚。小上がりのタタミコーナーを少し奥まった位置に取ることで、より落ち着ける空間になりました。

階段は1階からロフトまで吹き抜けに添うように。木製の手すりと白い柱や壁とのバランスがポイントです。

2階のホールにはご主人の本屋CDを収納できる書庫を配置。3連の窓から陽光が差し込み明るさも十分。

遊び心を取り入れた子ども部屋。将来仕切ることを見越してドアも2つ設けました。

シンプルな白を基調にした外観。建物に入れ込んだ玄関とバルコニーに、アクセントカラーを施しました。