今年の夏も連日暑い日が続きましたよね。最近では35℃を超える猛暑日も珍しくなく、家づくりにおいても「夏の暑さ対策」は、避けては通れない重要な課題となっています。実は暑さの原因となる熱の伝わり方には2つの種類があり、それぞれの特性を正しく理解したうえで対策しなければ、特に夏の暑さはしのげません。そのカギを握る「断熱」と「遮熱」についてご説明します。
断熱だけでは真夏の暑さはしのげない
熱は温度の高いところからから低いところに向かって空気中を移動しています。「断熱」は、家の柱や壁にこもったこうした熱の移動を小さくすることで、冬の時期には暖房で暖めた室内の空気の熱が外に逃げにくくなる役割を果たします。もちろん、夏でも冷房による冷気が祖に出るのをシャットアウトできますが、実は外から入ってくる暑い日差しを防ぐことはできません。真夏の暑い日に車に乗った時、冷房をガンガンかけてもなかなか涼しくならないのと同じですね。これは熱くなった車のボディから熱が伝わってきているからで、住宅でも同じことが起きてしまうのです。ですから「断熱」は熱の伝導を防ぐことで太陽光の熱を防ぐことはできないのです。
近年注目が集まっている遮熱の重要性
断熱では防げない太陽光の熱とは、いわゆる遠赤外線と呼ばれもので、熱された壁や床から放射される熱と合わせて輻射熱と呼ばれています。この輻射熱を反射させたり室内に入るのを防ぐのが「遮熱」の役割です。以前は「断熱性」をどれだけ高めることができるかが注目されていましたが、最近では輻射熱の大きさは空気を伝導する熱の大きさと遜色ないほど大きいことが分かり、その重要性が知られています。「遮熱」で大事なのは熱を透過させないこと。最近、車内にサンシェードで日よけをしている車をよく見ますが、太陽光は窓ガラスを透過するため、車の外にかけないと本来の効果を発揮できません。日本人が昔から生活の知恵として使っていたよしずはまさにその理にかなっていると思います。ですから、家の中を暑くしないためには、遮熱は太陽光の放射による熱(輻射熱)を妨げ、熱を家の中に入れないことが重要です。
「断熱」と「遮熱」の性能は工法によっても左右される
ここまで空気中を伝わる熱と太陽の輻射熱による熱の2種類があり、それぞれに「断熱」と「遮熱」で対策が可能なことをお伝えしましたが、実は「断熱」と「遮熱」を正しく行うためには家の工法にも注文がつきます。
先ほど説明した通り、「遮熱」のためには、いかに太陽光を室内に入れないかが重要なのですが、内断熱工法では建物の内側に断熱材が入っているため、建物の外から入ってきた太陽光や外壁を伝わってくる輻射熱で壁や柱も熱を持ってしまいます。
センチュリーホームは遮熱性も高い外断熱工法
一方、センチュリーホームが採用しているのは、構造材や軸組ごと建物をすっぽり断熱材で覆う、外断熱工法です。断熱材の外側に遮熱の役割を果たすアルミを貼ることで、建物自体が熱を持つのを防いでいます。また、夏の高い外気温も断熱材で覆われているため、室内に入ることがありません。さらに、赤外線をカットする高遮熱の窓ガラスを使用することで、夏でも快適な室内を実現しています。年々暑くなる夏、「断熱」と「遮熱」の違いを正しく理解することが快適な家づくりの近道なのだと思います。