注文住宅の間取りを、どのように考えて進めたらいいのですか?という質問をよくいただきますので、お答えしたいと思います。間取りの考え方は奥深く、条件をクリアするだけではなく、条件を逆手にとって利点となることもあるのです。このように間取りの設計次第で暮らしが変わってしまいますので、満足するためのポイントをいくつかご紹介したいと思います。
条件に合わせて間取りを考えていく
土地の環境や形状、家族のライフスタイル、性格など一人ひとりの条件が違いますから、家の中の間取りとも密接に関係します。ここでは様々な条件に対する間取りの考え方を細かくお答えしていきます。
接道により、間取りの取り方が変わる
南道路は、玄関も含めて明るい空間がとれます。近隣の方との密接な関係をつくりやすく、地域との関係性が深まる間取りが可能になります。北や東西道路は玄関を南以外に配置することで部屋が南側配置となる場合が多く、光が採りやすい間取りが可能で、庭もプライベート性の高い中間領域を作りやすいなどの特徴があります。
高低差のある立地では、光の入る角度や風の流れを加味する
密集した住宅地で極度に光が入る位置が低い場合は、なるべく光を採り入れるように高所に窓を配置できると良いですね。窓からの光がリビングやキッチンに差し込む時間帯なども考慮することもできます。
玄関は東西南北の配置や向きだけで考えてはいけない
玄関の配置について、玄関の収納の広さはどれくらい必要か、何から何まで収納したいのかをも把握する必要があります。中には自転車を外に置きたくない方もいらっしゃいますので、土間玄関にして家の中に置くなど、さまざまなパターンが考えられます。さらに、玄関周りは意外と収納がほしいところです。シューズクロークも玄関の位置や形状に合わせて、機能的で大容量スペースをいかに確保するかを考えます。
共有部とプライベートを分けて考える
家族といえども、皆で使う共有する部分と個人のプライベート部分をしっかり分けて考えることが居心地の良さにつながり、家族内のコミュニケーションも良くとれるようになります。プライベートスペースはできるだけご本人が好きなことができるよう自由に、リビングやキッチンなどの共有部は家族が集まりやすいようにできるだけ空間を広く取ります。また玄関、トイレ、水廻りの共有部は隣接していても、あまり抵抗感がないと思います。
ライフスタイル・習慣・性格から導くもの
時短したい、家事が面倒という人に人気の動線例として、キッチンにつながる土間玄関があります。買い物から帰ってきた際にすぐにキッチン裏の食品庫に物をしまえるというような動線はとてもストレスがなく、機能的ですね。
家に帰ってきた際、コートや上着を2階寝室のウォークインクローゼットまでわざわざ持っていくのは面倒だと思います。これを共有部である玄関や1階の脱衣室の近くにクローゼットを設けてしまうと使いやすくなります。お仕事で汚れた作業着で帰宅される方も、玄関から脱衣室まですぐにアクセスして脱いでしまえる、というように普段の生活習慣に寄り添ったオーダーメイドの間取りを作れるといいですね。
子どもの成長を支える要素
家の中にブランコを置く、子ども部屋に隠れ家のようなロフトを作る、壁にボルダリングや絵が描けるようにする、など遊び心をくすぐる仕掛けは、子どもはとても喜びます。子どもはさまざまな記憶を成長とともに残していく中で、幼少期の楽しい思い出があればあるほど、家族の記憶を宿し愛情を深めていきます。ただ住むだけの家ではなく、自然素材に囲まれたあたたかく楽しい暮らしが子どもの心の成長にも寄与し、情緒を深めていくはずです。
10帖以上の空間を設けると居心地の良さがグンと変わる
このようにご紹介した間取りの考え方は、注文住宅ならではのこだわりを実現するものですが、私たちは、独自のエッセンスを盛り込んでいます。それは拡がりのある空間を軸に考えてご提案することです。たとえば、6帖、8帖の部屋で過ごされる方は多いと思いますが、この広さをを越す10帖の空間を必ず取り入れるように考えます。この10帖を越えた空間が居心地の良さ、しいては心の豊かさを助長するのです。
広い空間は縦と横と高さで拡がりを感じるように意識して作るので、この3方向の距離感を立体的にイメージすることが大変重要になります。さらに素材や色の使い分けも加えて視覚効果、錯覚効果で広く感じさせる技法も用います。たとえば、廊下の先がつきあたりだとしても、そこからまた空間が続くように線をリビングの方へ導くなど、細かいディティールにも気を配ります。
最後に、間取りは家族らしい暮らし方をそのままに反映する家の設計図です。注文住宅で家を建てるのでしたら、せっかくですから、家族それぞれにぴったりフィットするように設計していただきたいですね。
センチュリーホームの注文住宅は、何一つ同じ間取りはありませんので、間取りのご相談はいつでもお気軽にお問い合わせください。